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「日本主義的教養の時代―大学批判の古層」竹内洋・佐藤卓巳[編] [それでもどっこい生きてます]

大正から戦前にかけての右翼とか左翼とかのイメージって、「国から迫害される左翼、勢いづく右翼」って単純に思ってましたが、結局右翼も迫害されてるんですね。全然知らんかった。

あ、といっても、この本は右翼讃美の本じゃないです。(ちょっと誤解されそうなタイトルではあります)
もちろん左翼讃美の本でもないです。

「原理日本」という右翼団体をキーワードにして、設立の動機、中心メンバーの考え方の分析、天皇機関説批判運動の背景、などなどを分析した本です。
思想的な主張をする本ではなくて、あくまで「あの時代の一つの断片」の提示になっているのですが、とにかく刺激的な本でした。目かウロコが落ちる、とはこのことです。

今の時代から戦前戦中を考える時のキーワードはたくさんあります。
軍国主義、ファシズム、国家総動員法、天皇機関説批判、陸軍の暴走、満州事変、日韓併合、大東亜共栄圏、南京大虐殺、などなど。
でも、これらのキーワードって私の中では「善悪」のイメージにつかまえられてしまっていて、時代背景を含めて冷静な考え方ができないでいました。

この本は、そんな硬直化したイメージをほぐす手助けをしてくれます。

思想的な答えを先に決めて歴史を見るのではなく、まず具体的に何があったのかを見る大切さを教えてくれる本です。

参考文献も含め、もう一度読み返したくなる本です。

しかし、80年前の話とは思えないほど、今の時代にも当てはまることが多かったです。考えさせられます。

日本主義的教養の時代―大学批判の古層

日本主義的教養の時代―大学批判の古層

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 柏書房
  • 発売日: 2006/02
  • メディア: 単行本


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