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「「アメリカ抜き」で世界を考える」堀武昭 [それでもどっこい生きてます]

「南太平洋のグローバリゼーション」と題した章で、それまで自給自足経済しかなかったパプアニューギニアに日系企業の工場が出来て、現金経済に切り替わり、急速に社会が変化していくさまを追ったレポートが大変刺激的。
明治維新後の日本や、いままさに中国で起こっているのは、こういう変化なんでしょう。

生きていくことを考えれば自給自足で問題はなかった、ただお金を中心にした経済が入り込み回り始めると自給自足経済との両立はなりたたない。
「怒りの葡萄」を読んだときに感じた圧倒的なまでのカネの力。
今の時代に生まれて生きると、こうした「なぜいまはこうなんだ?」という基本的なことを考える暇なく、生きていく方法を習うのに必死になってしまうんですよね。

だからといって、武者小路実篤の「新しき村」ではないですが、自給自足の生活に戻るべきだ、というのはちょっと違うとも思います。あこがれはしますが。

アンチグローバリズムにせよ、非覇権主義にせよ、はたまた共産主義にせよ、左翼運動にせよ、極端な方向はうまくいかないと思うのです。
だってみんなそういう「運動」が好きなわけじゃなく普通に生きて生きたいダケですからね。
あわせて言えば、こういうことは自分で考えることを基本にするしかないわけでして、それがなくなった瞬間にすべては「全体」に飲み込まれてしまうと思うのです。古い全体にせよ新しい全体にせよ。
そういう自覚があればあるほど、こういうコトは大きな流れにはなかなか繋がらないのですよね。

だから、せめてこういうところでつらつらと文章を書くことで、「実はこういうこと考えてます。うっしっし」っていうことぐらいは必要かなぁと思うわけです。誰か共感してる人がいると良いなと思いつつ。

作者の思いが強く出てる本で、ちょっと偏りは感じつつも、なかなか良い本だと思います。
強引に答えを出そうとせずに、あれこれ寄り道しながら迷っている感じもいいかな。


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「アメリカ文化の日本経験」ジョセフ・M・ヘニング [それでもどっこい生きてます]

「東洋の小さな野蛮人」として出発した日本人が、「西洋より優れた文化を備えたすばらしい人たち」と理想的に見られたり、「物まねはうまいがキリスト教は受け入れない物欲主義者」と見られたり、「実は日本人はアーリア人の末裔でだから高い文化水準を持っていたんだ」と人種主義者からみられたり、そんなこんなの流れがわかる本。
日本人とアメリカ人は同じなのか違うのか、日本人もアメリカ人もその間で複雑に揺れていて、それは今も変わらない。
途中で日本人の起源を探る流れでアイヌが出てくるのが興味深かった。
「日本人とアイヌ」「アメリカ人とインディアン(ネイティブアメリカン)」、そんなところにも当時のアメリカ人は日本人との共通点を見出していたみたいです。

言うまでもなくはっきりしてるのは、当時も今も「自分達は正しい」とアメリカ人が思い込んでいること。イラク戦争に踏み切るのを見ても、そう言い切ってしまうしかありません。
他の文化を劣ったものとして否定する。ゴリ押し。
100年以上、それに付き合い続けてる日本もアメリカのこといえないんでしょうけどね。


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