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「いじめの社会理論」内藤朝雄 [それでもどっこい生きてます]

終わりましたが、もう一回軽く読み直し中。ちょっと難しい。

よくある、いじめの解説本(ぶっちゃけどっちが悪い、とか)や解決本(なぐって解決、とか)とはちょっと違ってて、具体例とかは参考として出しつつも、そこから離れて、「個人」と「群れ」について、その関係性理論、囲い込みの危険性など、色々といじめの構造的な問題点をあげています。
単純に学校はすばらしいと信じて疑わない従来の教育学者に対しても嫌悪感を隠しません。

「学校では、実質的には薄情な関係を家族のように情緒的に生きることが強制される。若い人たちは、いじめで強迫されながら「なかよし」が強制され、人生の初期から「精神的売春」をしていきのびなければならない。」

って文章が印象深かったですね。特に「精神的売春」ってのが。一方的に奪われる「レイプ」じゃなくて、リターンのある「売春」か。深いなぁ。

後半では、そのいじめの構造を断ち切るための処方箋が提示されています。
いじめが理論的に定義された後なので、その処方箋も理論的です。
ただ、理念としては共感しつつも、現実にその処方箋が実行された社会がどうなるかわたしにはイメージし切れませんでした。

いじめは社会構造的な問題である、という本であるので、当然その対処方法もその社会構造を破壊するため政治的なレベルでの方法論なのです。
社会構造的な問題であれば個人でできる解決方法はあまりないですからね。
この本自体、そういう「個人(いじめっこ、いじめられっこ、せんせい)に問題を還元する今までのいじめ本」に対する批判を含んだ本でもありますし。

でも、問題を自分にひきつけた場合、政治的に大きなアクションより、自分がこの先々をどう生きていくかしかないわけで、そういう点で、その処方箋は、あまり興味がもてませんでした。

本としては、「理論バリバリ現実抜け落ち学者本」でもなく、「現実はこうだ!結局愛だろ愛なオレの説教本」でもなく、いじめを問題として考える上では、バランスの非常に良い、良質な本だと思います。ちと難しいけど。


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