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「自虐の詩」業田良家 [それでもどっこい生きてます]

最後まで読んで号泣してしまいました。後半の展開には圧倒されてしまった。

はじめは、「え?ただ不幸な夫婦の話が延々と続くの?」と思ったけど、や、確かにある意味では続くんだけど、なんかその延々と続く「営み」が熱を持ってきて、不幸とか幸せとかそういう何かを「切り分け評価する」んじゃなくて、全部わたし、わたしはいる、みたいな感じになっていきます。

あー、うまくいえない。細切れでは語れない。

ちゃぶ台をひっくり返し続ける夫(内縁)をとことん愛し続ける主人公の幸恵、どこまでも借金取りでありながら同時に人である借金取り、中学の同級生の熊本さんvsむかつくハゲ教師、幸恵の万引き話、などなど、「どうしようもなく貧乏な幸恵とその出来事」が延々とつづられます。
でも、不思議と暗くはない。重いけど。

橋本治の「勉強ができなくても恥ずかしくない」に、ほんのちょっとだけ近いイメージがあります。

読みながら、中学生の時、新聞配達をしていた友達のことをしきりに思い出してました。
彼と比べて、バイトもせずにのほほんと生きていける自分が恥ずかしくてしょうがなかったな。
そういえば、高校生のときに家が貧乏でよく万引きをしていた同級生もいたっけ。

でも、二人ともとても好きだった。自分の大切な友達だった。

みんな元気にやってるだろうか。

おーい、おれは元気だぞー!

自虐の詩 (上)

自虐の詩 (上)

  • 作者: 業田 良家
  • 出版社/メーカー: 竹書房
  • 発売日: 1996/06
  • メディア: 文庫


自虐の詩 (下)

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  • 作者: 業田 良家
  • 出版社/メーカー: 竹書房
  • 発売日: 1996/06
  • メディア: 文庫


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「アドルフに告ぐ」手塚治虫 [それでもどっこい生きてます]

アドルフ・カウフマンが、アドルフ・カミルのお父さんを殺すシーンが、ショッキングでした。

自分にはどうすることもできないまま、「なんでこんなことになってしまうのか」ということが連鎖していく怖さ。でも、生きるためにその状況に適応していってしまう悲しさ。
自分なんてなくなってしまう状況。

高校のときにはじめて読んで、2回目ですが本当に恐ろしい話です。

「あいつは敵だ殺せ」

その一言ですべてがはじまり、はじまりさえすれば「敵」を指し示しつづけるだけで、もうすべてが回転していく。どこにも「敵」なんていなかったのに。

「敵」を指し示す人には、本当に注意が必要です。
それがもっともらしかったとしても、自分がその不安に負けそうになったとしても、何かを守るためだったとしても、「敵」を殲滅すれば問題が解決すると考えるのは間違っています。
仮に「敵」がいなくなったとしても、また誰かによって新しい「敵」を指し示されるだけです。

理想論じゃありません、現実論です。

北朝鮮は「敵」ではありません。
誰かが作り上げ、指し示している「敵と呼ばれるもの」なだけです。
いまだから冷静に。

「あいつは敵だ殺せ」といってる本人は絶対自分では「敵」を殺しません。”あなた”に殺させます。忘れてはいけません。

アドルフに告ぐ (第1巻)

アドルフに告ぐ (第1巻)

  • 作者: 手塚 治虫
  • 出版社/メーカー: 文芸春秋
  • 発売日: 1985/05
  • メディア: 単行本


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