So-net無料ブログ作成

「土」長塚節 [それでもどっこい生きてます]

奥さんに先立たれ、子供を二人抱え、貧乏で蓄えもなく、ちょっと蓄えが出来ればそれを失うことを極度におそれ、盗みがバレれば卑屈にあやまり、義父には冷たく当たりながらも心の底では恐れ、最後には家は火事にあってしまう。
そんな救いのない百姓の勘次とその家族をえがいた明治の小説です。
そういう人がいる、生きている、そういう世界がある、ということを淡々と描いたドキュメンタリーのような印象です。
読んでいると、勘次の人となりについて、どうのこうのと言う気になんてなれません。
ただその環境に生れ落ち、生きつづけること、そこには他人が何か言えるようなものはないように思います。
自分も勘次の様に、ただその環境に生れ落ち、生きつづけている、それは他人に何か言われるようなものではないように思うのです。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

「絵はだれでも描ける」谷川晃一 [それでもどっこい生きてます]

自分が絵が下手だって思ってると、「うまくかかなきゃ」と思うわけです。本当はつやつやで美味しそうなリンゴがまずそうに見えたり、きれいな海を描きたいのにどうにも汚い海になってしまったりして、自分でも「こりゃヘタだ」とがっくりしているのに、さらに先生に「30点」とかつけられるわけです。
でも、そういうことは「写実的な絵を描くテクニックについての評価」であって、「絵を描くということを楽しむ」のとは、全然別な話なんですよね。

この本は、「絵を描く」ということをテクニックではなく、描きたいものを描く、自分の気持ちの流れるまま描く、ただ楽しいから描く、という方向から見直してみませんか?ということを言っています。
「絵を描くことは気持ちいい」という言い方が出てくるんですが、私は「絵がうまいといいな」とは思ったことはあっても、「ヘタでも絵を描くことは気持ちいい」という風に思ったことはありませんでした。
なるほど、そういう風に考えるとちょっと違った感じがします。

多分、歌にも同じようなことがいえて、私は自分の歌がうまいとか下手とか真剣に考えたことはなくて、ただ「歌うと気持ちいい」から歌は大好きなんですが(よく駅からの帰り道で歌ってます!)、人によっては「自分は歌がヘタだから」とまったく歌わない人もいると思うのです。
私ならそういう人に出会えば「でも歌うのって気持ちよくない?」って聞きそうな気がします。
別に人に聞かせるために歌うんじゃなくて、自分が気持ちよくなるために歌う。

絵を描くこともそういう風に思えれば、絵を描く事自体が気持ちよくなる日が来るかも知れません。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ: