So-net無料ブログ作成

「日本主義的教養の時代―大学批判の古層」竹内洋・佐藤卓巳[編] [それでもどっこい生きてます]

大正から戦前にかけての右翼とか左翼とかのイメージって、「国から迫害される左翼、勢いづく右翼」って単純に思ってましたが、結局右翼も迫害されてるんですね。全然知らんかった。

あ、といっても、この本は右翼讃美の本じゃないです。(ちょっと誤解されそうなタイトルではあります)
もちろん左翼讃美の本でもないです。

「原理日本」という右翼団体をキーワードにして、設立の動機、中心メンバーの考え方の分析、天皇機関説批判運動の背景、などなどを分析した本です。
思想的な主張をする本ではなくて、あくまで「あの時代の一つの断片」の提示になっているのですが、とにかく刺激的な本でした。目かウロコが落ちる、とはこのことです。

今の時代から戦前戦中を考える時のキーワードはたくさんあります。
軍国主義、ファシズム、国家総動員法、天皇機関説批判、陸軍の暴走、満州事変、日韓併合、大東亜共栄圏、南京大虐殺、などなど。
でも、これらのキーワードって私の中では「善悪」のイメージにつかまえられてしまっていて、時代背景を含めて冷静な考え方ができないでいました。

この本は、そんな硬直化したイメージをほぐす手助けをしてくれます。

思想的な答えを先に決めて歴史を見るのではなく、まず具体的に何があったのかを見る大切さを教えてくれる本です。

参考文献も含め、もう一度読み返したくなる本です。

しかし、80年前の話とは思えないほど、今の時代にも当てはまることが多かったです。考えさせられます。

日本主義的教養の時代―大学批判の古層

日本主義的教養の時代―大学批判の古層

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 柏書房
  • 発売日: 2006/02
  • メディア: 単行本


nice!(1)  コメント(5)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 1

コメント 5

環虚洞

こんにちは。
おもしろそうな本ですね。
左翼関連の本は多いですし、知識人と称される人は左翼系の人が多いのでソチラの論考は多く目にしますが・・・
記事を読んで、実際に読んでみたくなりました。
感謝申し上げます。
by 環虚洞 (2006-06-21 06:09) 

auster

こんにちは。この本は読んでませんが、佐藤さん、竹内さんの本ですから絶対に面白いんでしょうね。時間のあるときに読んでみたいと思います。
by auster (2006-06-24 02:19) 

ひげたま

閑居堂 さん、こんにちわ。
面白い本でしたよ。機会があればぜひに。

austerさん、こんにちわ。
> この本は読んでませんが、佐藤さん、竹内さんの本ですから絶対に面白いんでしょうね。
私はこの本が初めてだったんですが、とてもいい本でした。
検索したら教育とか教養の歴史関連の本書いている人みたいですね。
もしよろしければ、austerさんのオススメありましたら教えてもらえませんか?
ジャンルは問いませんので。
by ひげたま (2006-06-25 08:41) 

auster

どうもです。竹内さんの『教養主義の没落』『丸山眞男の時代』と佐藤さんの『言論統制』『八月十五日の神話』は新書ですが、どれも本当に素晴らしい本です。読みかけですが、赤川学『子どもが減って何が悪いか』(ちくま新書)もいいです。少子化(対策)、少子化(対策)と叫ばれる世の中を冷静に見るためにも必読だと思います。あと新書だと、杉田敦『デモクラシーの論じ方』、ロナルド・ドーア『働くということ』といったところが思いつきます。
by auster (2006-06-25 21:29) 

ひげたま

austerさん、どーもです。
面白そうな本ばかりですね。機会があれば読んでみます。
しかし、、、読みたい本ばかりが溜まっていきます。
Webで日記付け出して以降、年間100冊ペースなんですが、とても追いつきません。もっと若いころから読んでおけばよかったと思ったり。
フーコーとか吉本隆明とか小林秀夫とか丸山真男とか、「もうちょっと後にしよ」って後回しにしてる人もたくさんあって、困ったもんです。
うれしい悲鳴ってやつでしょうか?
by ひげたま (2006-06-26 00:08) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0